利用者支援を巡るクリニック/病院とのトラブルについて【顛末】

利用者さんKの支援を巡り
あるクリニックと病院との間で、トラブルが発生しました。

正しい情報を知って、
判断して頂きたいと思いましたので、
事の顛末を公開致します。

 

利用者Kさんの特徴

利用者Kさんは、お金の不安を感じると
ネガティブな思考がグルグルと頭を巡り、
調子が悪くなってしまいます。

利用者Kさんは自分でお金の管理を行っていたので、
(お金の管理は自分でしたい、とのこと)

  1.  不安を解消するために買い物をしてしまう
  2.  買い物により手持ち資金が少なくなる
  3.  資金が少なくなることで、更に不安になる
  4.  解消のために…またお金を使う

という、完全に悪循環なループに陥っていました。

以下は、グループホームから失踪する直前の
支援記録からの抜粋です。(当事業所では全てクラウドデータ化しています。)

iLifeとしては、和菓子職人、Webデザイナー、農業従事者などの
利用者Kさんが「興味がある!」と言ったもの全てを
体験してもらっていましたが、
そのほとんどが、数日で飽きてしまうため

「継続力」がKさんの課題であるとし、
そのために、生活介護での作業を継続的に実施することを提案していました。

更にお金が不安とのことだったので、
ハロワでの短時間案件を一緒に探すなど、
不安解消のためのフォローをできる限り行ってきたつもりでした。

しかし・・・

グループホームに戻ってこない

【2月6日】夕方
「メルカリで出品していたものが売れたのでコンビニで発送してくる」
と言って自転車で出かけたっきり、いつまでも戻って来られないため
iLife職員で、生駒/平群/奈良など自転車で行けるであろう範囲を
捜索しました。

19時から23時まで捜索しましたが、見つからなかったため、
職員での捜索は断念し、あとは警察へ「捜索願い」を提出し、
警察へ引き継ぎました。

【2月8日】
生駒市内のクリニックよりiLifeに入電があり、
「利用者Kさん本人より通院予約が入りました!」と
見つかったことの報告を受けました。

すぐに警察に状況を報告し、警察より
「捜索願いを取り下げるためには、本人が署に来て欲しい。
そうでないと、本当に見つかったのか、
実際には見つかっていないのに、
見つかったと言っているだけか判断がつかない」
と言われたため、クリニック側にその旨を説明致しました。

また、その際
「グループホームとしても今後の支援のこともあるため
 Kさんと合わせて欲しい」とも伝えました。

しかし、クリニック側は
「見つかって、受診しにきているから、もう問題ないです」
との主張をされ、iLifeの願いは全く聞き入れてもらえませんでした。

受診が終わられたら利用者Kさんに声かけして
一緒に警察にいってもらい、その後、グループホームのことをお話するつもりで
仕方なしにクリニックではなく、クリニック付近で待機しておりましたが、

クリニック側のソーシャルワーカーから、
「一旦リセットするため、入院することになった」
「本人は戻りたくないと言っている」
「今日は話せないし、お姉さんから電話がかかってきているので、後日連絡します」
と言われ、本人と会うことも、一言も話すことなく、
門前払いを受けました。

※警察の人がクリニックに呼ばれて、
※その場で、捜索願いの取り下げの受理はされた模様です。

 

その後、クリニック側が奈良市内の病院に連絡を入れ、
以前入院していた病院とは異なる病院に、勝手に入院させたことを
お姉さんより聞きました。

(お姉さんも勝手な入院に対して、怒っておられました)

 

以上が、利用者Kさん失踪時のiLife視点の出来事です。

 

iLifeの主張

グループホームで生活をする以上、
iLifeが支援のメインプレイヤーだと認識をしております。

それにも関わらず、
月1〜2回の面談しか行わないクリニック側が
iLifeの支援内容を全く聞かず
密室で勝手に入院を決めること自体におかしさを感じています。

グループホームは、単なる寮ではありません。
支援を行う場所です。

グループホーム側には言えない悩みや相談もあるでしょう。

ですので他事業所やクリニックと関係を持ち
そこで話を聞いてもらうことは全く問題ないと思いますが、

支援のメインプレイヤーを除いて話を進めてしまうことは
あってはならないことだと考えています。

 

利用者Kさん その後

6月に入り、利用者Kさんより直接「iLifeに戻りたい」
との電話が入りました。

しかし、利用者Kさんが入院する病院は
Kさんに「iLifeはやめたほうが良い」と言ったそうです。

利用者Kさん本人より
「本当は戻りたかったけど、病院が強固に反対したから言い出せなかった」
と聞きました。

また、
「病院のケースワーカーが上から目線で
主張を押し付けてくるのが耐えられなかった」

とも言われておりました。

 

そんなクリニック、病院から一方的にiLifeが悪者扱いされておりますが、
その病院とは別の利用者の対応で、過去トラブルになったことがありました。

病院側の主張は
「体験入居を受け付けるなら、その体験入居者が入る入らないを決めるまで、
 部屋はその人用に確保しておくべき」
という主張です。

iLifeでは元々、体験入居=確定ではなく
本入居契約を持って確定です、と伝えていたのにも関わらず、

上記のような主張を一方的にされたため、
既に他の本入居申込み者がいたこともあり、
お断りすることとなりました。
(病院側は激怒しましたが、ルールはルールですので…)

iLifeの立場としては、
体験利用者はどこまでいっても「仮」です。

また、1名の体験者を受け入れているからといって
別の体験者を受け入れない、ということも有りえません。

一泊二日の体験者を受け入れた時点で、残りの28日間、
他の体験利用者を受け入れてはいけない、という病院側の主張が
如何に常識はずれか、分かって頂けるのではないでしょうか?

 

話を元に戻し、

利用者Kさんは、

  • お姉さんがiLifeを信頼してくれていること
  • Kさん本人もiLifeに戻って頑張りたいこと
  • iLifeが出した支援の条件(金銭管理はiLifeが行う、など)に合意すること

以上を持って、

iLifeに戻ってくることになりました。

 


こちらに記載してある内容は
iLife視点で記載されております。

もしも、ある一方の主張だけを聞かれた方は
iLife側の視点も合わせて知って頂くことで

より客観的な判断をして頂けるのはないかと考えております。

代表 三宅