【生駒市グループホーム職員ストーリー】山田君と猛犬

グループホームiLifeの基本理念は

「”障害”という課題を一緒に乗り越えていく」としています。

 

これは、社会が変わるのを待つのではなく

自分(障がいを持つ人)自身が社会の方に適応していくことを目指した理念となっています。

 

(勿論、障がいを持つ人がより生活しやすいような社会になっていくことが望ましいのですが、

やはり現状維持のモメンタムが強く働いておりますので、待つのではなく、

積極的に適応(アジャスト)していくことが、自分らしい人生を歩むための

より近道だと考えております。)

 

今日はこの理念に関する職員のエピソードを紹介させて頂きます。

 

 

山田君と猛犬

 

知的障害を持つ山田君がいつも通う道に

大きな声で「ワンッワンッ」と吠える犬がいました。

 

山田君は突然吠えられると、どうしていいか分からなくなり

パニックになってしまいます。

 

さて、普通?の対応だとこれから山田君に対して

どういう対応を採っていくでしょうか。

 

①車で通うように変更する

②ルートを変更する

 

このどちらかの対応を採るのが多いと思われます。

 

 

しかし、当グループホームの職員は

「課題を乗り越えて自立にチャレンジしていく」ということが

全ての対応の基本になっています。

 

故に彼は、次の日からこんな対応を採るようになりました。

 

 

 

「山田君、もう後ちょっと行ったらね、

いつも山田君にワンワンと吠える犬の所を通るよ。

今日はね、僕が予め犬がいることを教えたから

山田君は心づもりができるよね?

 

犬に吠えられたらどうしようか、考えておいてね。

自分でしっかりと考えておけばきっと大丈夫だから!」

 

 

そう言って、また同じルートを選択したのです。

 

山田君と職員はその道を進みます…

 

 

やはり!

 

ワンワンと吠えられてしまいました!

 

 

 

しかし、今日は山田君はパニックを起こしませんでした。

 

「怖かった。でも事前にいるって分かっていたから、準備ができた」

 

そう言って見事、猛犬というハードルをクリアできたのです。

その後も同じルートを選択し続け、今ではすっかり慣れています。

 

 

ハードルがあることを分かって臨むのは勇気がいる行為です。

しかし逃げていても状況は改善されません。

別のルートにも猛犬がいたら、どうするのでしょうか。

 

やはり、困難でもハードルは乗り越えて行かなければ行けないのです。

それをお手伝いするのが、我々の仕事だと考えています。

 

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