iLifeの支援について

iLifeの支援方針を明示しておきたいと思います。

iLifeの「自立」とは?

福祉の現場において「自立」というのは
結構当たり前のワードになっています。

しかし、自立という言葉ほど、
個人や事業所における解釈の異なりが発生するものも
珍しいのではないでしょうか?

ですので、まずはiLifeにおける「自立」の定義を明確化しておきます。

①自立の形は人それぞれである
②自立は自分が望む「人間関係」を得た時に訪れる

アルフレッド・アドラーは
「人間の悩みは全て対人関係に帰結する」と喝破しました。

友達・恋人・夫婦・子供(育児)・職場(会社)・お金・孤独・引きこもり

あなたの思いつく限りの悩みを挙げてみて下さい。
恐らく、その悩みを突き詰めれば対人関係に行き当たるはずです。

悩みをゼロにするには、宇宙でたった一人きりになるしかない訳ですが、
そんなことは不可能ですし、

逆に、人間の喜びもまた「対人関係」から生まれるのです。

とどのつまり人生の充実度を決めるのは
「人間関係の充実さ」ということになり、

故に本当の自立とは、共存共栄できる
「人間関係」を得た時に訪れるものとしています。

 

身体・知的・精神障害だったらどうするの?

もしかして、こう思う人もいるかもしれません。

障害の状態によって、当然ですが
物理的にできることできないこと、が存在します。

だからこそ、①自立の形は人それぞれ、なのです。

物理的にできないことを、できるようになるのが自立ではありません。

物理的にできないことは、できる人にサポートしてもらう。
その人間関係を構築しているのであれば、
それがその人にとっての自立なのです。

ただ、勘違いしてほしくない部分があります。

今の日本は基本的人権や福祉がある程度整っていますので、
別に全く自立していなくても、支援の手が差し伸べられることはあります。

他人に暴言をはいたり、暴力をしていたり、
自分のやりたいようにやっていても
支援してくれる人はいます。

iLifeでは、それは自立とは考えていません。

支援する側が喜んで・楽しんで支援できるように
支援される側も「最大限、努力する」

これが大切だと考えています。

 

iLife支援① ゴール設定

iLifeの支援は、まずはゴール設定から始まります。

ゴールとは目的地のこと。

利用者様がどういう人生を歩みたいのか?を
支援側が把握することからスタートします。

iLife支援② タスク設定

目的地が決まれば、あとはその目的地に向かうための
乗り物を作っていく計画を立てます。

その際、iLifeが意識する3つのポイントがあります。

①習慣化

②環境整備

③技術習得

 

例を挙げます。
精神障害の方が一般就労をして、将来的に一人暮らしがしたい、
というゴールを持っている場合。

何よりもまず習慣化から始めます。

規則正しく朝起きる習慣。
人に挨拶する習慣。
時間通りに出発する習慣。
健康的な食事をする習慣。
お風呂に入る習慣。
キチンと寝る習慣。 など

生活習慣の上に、適切な思考習慣も必要です。

人の気持ちを考える習慣。
責任を取る習慣。
主体的に考える習慣。 など

これは障がい者の人だけでなく、
健常者の人も乱れている人が多いです。

基本生活部分がグラグラですと、
その上に何を積み上げてもグラグラになります。

 

習慣化と並行して行うのが、「環境整備」です。

朝起きれないのであれば、起きられる環境を
自ら作っていきます。

目覚まし時計を用意する所から始まり、
他力を使って起こしてもらうことも必要になってきます。
逆算して早めに寝ることも、
早めに寝られるような仕掛けも必要になるでしょう。

習慣化するまでの間の環境作り。
習慣が崩れないための環境作り。
ついついルール違反しないための環境作り。

「環境」はかなり奥深い要素です。

そして最後に、技術(スキル)習得です。

 

この順番が大切なのです。

 

iLife支援③ ちょっとだけの変化を加える

 

この①〜③が1サイクル回れば、
次のステップとして、

少し変化させてみます。

先程の一人暮らしを目指す精神障害の人であれば、

B型作業所に1日行ってみる。

などが、ちょっとの変化になります。

往々にして、人間は少し上手くいくと
一足飛びに大きなチャレンジに出る傾向がありますが、
人間の脳は大きな変化を嫌います。

ですので、少し変化させて、
その変化に身体を慣れさせます。

歩みは遅いように感じますが、
小さな変化を積み重ねて行っている間に
年月が経った後、いつのまにか
とてつもなく遠くまで進んでいることに気付いてくれると思います。

 

iLifeの支援は時として厳しいものに感じるかもしれない

先述の通り、ゴールに向けた支援を行うのがiLifeです。

ゴールへの難易度が高い程、
要求される変化量も大きくなります。

例の精神障害の人は一般就労をしたい、でしたね。

一般就労の障害者枠でなく、
通常の一般就労ということは、
障害については考慮されない、と思った方がいいです。

「僕は障害者なんです。」
「だからできないこともあります。多目に見て下さい。」

残念ながら、ほとんどの企業で、この考え方は通用しません。

であるならば、変わらなければいけないのは
一般就労したい精神障害の人の方です。

iLifeの支援も、変わるための支援になるので
時として厳しいものに感じることもあると思います。

iLifeは無理やり行動させたり、
価値観を押し付けるような支援はしません。

全ては利用者様のゴール次第です。

 

但し、

支援する側が喜んで・楽しんで支援できるように
支援される側も「最大限、努力する」

これが大切だと考えています

この様に考えているため、

生活保護をもらって、グループホームで衣食住を提供してもらって
楽に暮らしたい、と思っている人は
iLifeの支援を受けてほしくないと考えています。

 

自分のケツが拭けるようになってから

利用者様を支援する人が、
人間的な器ができていなかったら、どうでしょうか。

自分の状況を人のせいにしまくって
主体的に物事を考えられていない人に
誰も支援をして欲しいと思わないはずです。

ですので、iLifeでは支援スタッフに対して
主体性を育むような研修を試みています。

利用者様のゴールへ伴走するのであれば、
我々もまた、自分達を鍛えねばいけないと考えています。

 


以上が、iLifeの基本的な支援の考え方です。

もしかすると、
既存の福祉の在り方とは異なるかもしれませんが、

理念を持って行動しておりますので、
見守っていただけると幸いです。

代表 三宅